二つのことを守れば、支出を収入の範囲にコントロールすることができます。
①借金は、原則しない
②給与天引きで、毎月、積み立てで貯蓄する
銀行の融資審査能力が、やや低下しています。
以前ならば、決して貸さなかったような個人に、大きな金額を貸すようになりました。
20代で貯金なしの方が、中古の一戸建てを買うために約4,000万円の住宅ローンを申し込んだら、簡単に認可が出てしまった、という話を聞きました。
「出てしまった」というのは、無理して一戸建てを買うのが、その人にとっていいことか疑問だからです。
「持ち家がないと不安」、「いざというとき、家さえあれば何とかなる」と考えて家を買いたくなるのも分かります。ただし、その人は「借金がない」ことがどれだけ幸せか、それに気付いていないと思います。
大きな借金を背負うと大変です。
体調を崩して、一時的に収入が途絶えても、借金の返済は続きます。
いざというとき、持ち家はなくても借金さえなければ何とかなる、という考え方もあります。
さすがに、社会人1年目から、数千万円は借りられないと思いますが、それでも、カードローンで何十万円も借りられる場合があります。
自らの市場価値を高める重要な支出をするための借金ならばよいですが、そうでないならば、銀行が貸してくれるからと安易に大きな借金をするべきではないと思います。
かつて消費者ローン業界が競って過剰な貸付をあおり、個人破産が増えて社会問題となったことがありました。
こうした問題を防ぐ目的から、2006年に貸金業法が改正され、2010年に完全施行となりました。
これにより、年収の3分の1を超える貸付が禁止されました。
ところが、銀行のカードローンは、その適用対象外となっています。規制の枠をすり抜ける形で、年収と同額に近い貸し出しまで実行されるようになっています。